平成17年4月14日
「特殊教育免許の総合化について(審議のまとめ)」に対する意見
今回、中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会より中間報告された、「特殊教育免許の総合化について」、次の意見を今後検討されるよう強く望む。
全日教連では、「特別支援教育を推進するため制度の在り方」について(中間報告)時に@「特別支援学校(仮称)」には、教育部門を設置することを原則とする、A「特別支援学校(仮称)」のセンター的な機能の充実のために、十分な教員配置を行う、B固定式の特殊学級を存続させる、の3点について望む意見を出した。特殊教育免許の総合化が進められることになっても、この3点の基本は変わらない。
1 特殊教育免許の総合化について
(1) 障害の重度・重複化や多様化が急速に進んでいる現在、児童生徒の一人一人の教育的なニーズに応じた適切な指導や支援を行うという観点から、全ての教員が様々な障害に関する幅広い知識と指導技術を有し、障害のある児童生徒に対する教育がこれまで以上に効果をもたらすことが求められている。そのための特殊教育免許の総合化は必然的なものであり、今回の免許制度の改正が契機となり教育関係者が特別支援教育に対して関心を持ち正しく理解するような体制作りをしなければならない。
(2) 特殊教育諸学校が特別支援教育学校となり、障害の種類を問わず、全ての障害に対応できる学校となる方向性が打ち出された中で、そこに勤務する教員が様々な障害に対して適切に対応し、より効果的指導ができる能力を有する必要がある。従って、特別支援学校教諭 免許状(仮称)の授与に関しては、特別支援教育が行えるための専 門的知識と一定の現場実習を経ることが求められる。
2 免許の取得について
(1) 教員養成体制について
@ 小中高等学校の免許状とのバランスを考え、4年間の養成課程が適当であると考える。全ての障害種に対して深い専門的知識を得るするためには、4年間という期間は短すぎると考えられる。そこで、特別支援学校教諭免許(仮称)の取得には特定の障害種に対する専門的な知識と全ての障害に対する基本的な知識を保証するものとすべきである。
A 義務教育諸学校には約6%のLD・ADHD・高機能自閉症等の子供たちが在籍していると言われている。そこで、小中学校の普通免許の取得においてもカリキュラムの中に、特別支援教育にかかわる必修科目を可能限り多く設けるべきであると考える。今後は小中学校の教員が特別支援学校教諭免許状(仮称)を有することが望ましいが、現段階では免許の取得とまではいかないまでも、様々な障害に対する専門的知識を得るための研修を計画実施すべきである。
B 今後高い専門性を持ち、質の高い教育を提供できる特別支援学校の教員を養成するためにも、大学院での2年間の養成期間を推奨していく方向で考えるべきである。その際、奨学金制度の充実や現職研修の促進等に十分な予算措置が必要である。
(2) 現在現職として特殊教育諸学校の勤務をする教員について
@ 現在、特殊教育免許状を有する者に対する免許の移行措置が必要である。その際に認定講習の実施により、円滑な移行を行うべきである。その講習会の実施に際しては、学校現場に混乱をまねかないよ
うに時期や予算措置に配慮すべきである。
A 現在特殊学校において、一定期間の現場教員の経験を持つ者に対 しては、単位数など減免措置を講ずる必要がある。
3 「特別支援学校教諭免許(仮称)」の在り方及び取得促進について
(1) 特別支援学校教諭免許(仮称)の種類については、臨時免許状・普通免許状の2種類を設け、普通免許状を中心にすることに賛同する。また、一種、専修、二種免許状を設定することについても賛同できる。
(2) 小・中学校の教諭に義務づけするものではないと考える。しかし、今後は全ての教員が特別支援教室に対する理解を深め、指導できる体制作りという観点から特別支援学校教諭免許(仮称)を持つことが望ましいと考える。その際、免許状を取得することが手当に反映される等何らかのインセンティブを与えることが必要であると考える。
(3) 今後、現職教員が免許状取得の希望がある場合には、通信制の大学への編入や認定講習会等への参加機会の拡大や経費の補助等(取得期間中の教員配置において代替教員の確保も含む)で小・中学校の教諭が特別支援学校教諭免許を取得しやすくするための措置を講じる必要があると考える。その際、免許状取得のための認定講習等においては、特殊学級等の指導の実績を考慮した減免措置等を講じるべきである。
(4) 特別支援教育コーディネーターの職務においては、特別支援学校教諭免許(仮称)を有することが望ましいと考えられる。そのため、今後計画的に免許を有する教員を配置するべきである。なお、特別支援教育コーディネーターの任命に際してはその職責に応じた待遇(給与体系5級制における昇級等)が必要であると考える。