全日本教職員連盟

第3回:子供虐待の発生予防〜子供時代からの育みが大切〜 / 研修課 南山今日子

第1回は子ども虐待の発見という初期介入について、第2回は子ども虐待が子どもに与える影響についてまとめた。最終回は、子ども虐待の発生予防について述べたい。
発生予防に向けた支援は、大きく3つの柱で構成される。

第一の柱
一つが一般の子育て支援である。養育者が余裕を持って子育てを行えるよう支援していくことが重要になり、子育て支援広場を展開するなど家族が孤立しないような子育て支援サービスの充実が大切である。

第二の柱
二つ目の柱は、すでに多くのストレスや不安を抱え、虐待の可能性が極めて高いハイリスクの家族に対して、密度の濃い支援を提供することである。リスクやストレス状況として、経済的問題、ひとり親家庭、養育者の精神疾患、子どもの障害などがあげられる。これらのリスクが複数重なってくることで虐待発生の可能性が高まっていく。このような場合、家族状況をしっかりと把握し、多機関が協働してリスクやストレス状況を取り除いていく支援が必要となる。学校もこうした協働機関の重要な一役を担っている。

第三の柱
最後の重要な柱は教育である。少子化や都市化の進んだ社会に生きる近年の子どもたちは、昔のように、赤ちゃんに触れたり、子育てに参加したりする機会は格段に少なくなっている。このことは、養育のあり方にマイナスの影響を与えている。そのため、将来親になり子どもを養育することを見越した教育が求められる。
学校での家庭科や保健体育教科における性、妊娠、出産、家族についての学びは非常に重要である。さらに、体験を通しての学びも重要といえよう。実際、ある地域の小学校では、「人とかかわる楽しさを味わい、内省性、社会性、養護性をはぐくむ」ことを目的に、発達段階を勉強したり、実際に赤ちゃんに関わってみたりと、各学年で適時的な、系統的な授業を展開している。小さな子どもと触れ合う授業は中高でも行われており、こうした取り組みは、生徒だけでなく、参加した母子にとっても有益であると報告されている。生徒にとっては、子育てスキルを得るだけでなく共感能力の育みになり、赤ちゃんにとっては人と関わることで発達促進につながり、そして母親にとっては自分の子どもが生徒に大切にされることで母親であることの尊さを実感するのである。このようにこの取り組みのメリットは多方面に及ぶ。
教育の中にこうした取り組みを位置づけることは、次世代の適切な親を育てること、つまり子ども虐待の発生予防につながるのである。


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