平成17年6月23日
「今後の教員養成・免許制度の在り方」に対する意見
全日本教職員連盟
1 全日教連の目指す教師像
国民は安心して子供を任せられる学校教育を望み、心の底から信頼できる教職員を求めている。私たち教職員は、そのような国民の負託に応える教育を確立するために、教育専門職としての使命感に燃え、新しい教育の創造に邁進しなければならない。
私たちは常に、これからの社会を担う子供たちに必要な教育の在り方を追究し、自らの資質向上のため、積極的に研修に励むことが大切であると考える。
2 教員免許の更新制について
免許の更新制導入については、慎重に議論していくことが大切であると考える。
全日教連が、教員免許制度についてのアンケート調査を行ったところ「免許更新制の導入が必要だ」と回答した者が46.9%、「必要だと思わない」と回答した者が53.1%であった。「必要である」主な理由は、「教員の意識改革になる(32.9%)「教員の資質能力の向上につながる」(25.9%)「指導力不足教員や不適格教員が減る」(24.1%)であった。「必要でない」理由は、「更新制導入だけでは指導力不足教員等への対応にはならない」(32.0%)「10年次研修や不適格教員研修等、現行制度の充実を図るべきである」(29.9%)「更新のための新たな研修等、教員の負担が増え、子供と接する時間が減る」(24.8%)であった。
以上の結果より、今後の検討において、次のことを配慮することを望む。
(1) 教員に必要な基礎的要素を評価するシステムの確立
教員には、学習指導や生徒指導等の技術的な側面の大切さと共に、技術面を裏付けるために教師自身の豊かな人間性や社会性、コミュニケーション能力、教養、教育愛等、人格に深くかかわる要素が重要になる。それらの基礎的要素についてどのように評価すればよいか、現時点では明らかになっていない。免許の更新制を考えるならば、先ずそれらの評価システムを確立する必要があると考える。
(2) 現行制度の充実による教員の資質の向上
現行制度(初任者研修、10年次研修、不適格教員の認定、1年間の期限付き採用等)の充実によって更新制の求める教員の資質の確保と不適格教員の排除等は担保できると考える。
教員は、児童生徒に質の高い教育を提供するために、常に自らの質を高めることが重要である。そのような考えのもと、これまでに初任者研修や10年次研修等が制度化され、実施されてきた。研修の時期や内容など、まだまだ改良を加えるべきことも多いが、教員の資質の向上を目指すのであれば、免許更新よりも、研修の充実がより成果をあげることができると考える。
不適格教員や指導力不足教員の認定及び再研修に関しては、ここ数年、各都道府県において積極的に取り組もうとしてきている。まだまだ、評価の在り方等、検討するべき内容は多いが、この認定制度によって、更新制の主旨は達成できると考える。
(3) 教育現場に携わらない者の免許更新の在り方
教育現場に携わっていない免許取得者の更新制の導入についても検討していかなければならない。
実際に教職についていない人材に対し、教員としての指導力や適性を評価することは非常に困難である。また、免許取得者の数は、実際に教職についている数の何倍にもなる。その全員の更新を行うことは物理的にも無理があると考える。
しかし、非常勤講師や産休代替教員など、学校現場には、未だ講師や助教諭が必要な場面が多くある。これらの免許保持者に、一定の資質を確保する必要がある。
3 専門職大学院制度について
教員の資質向上の面では、専門職大学院への改組転換や新設は望ましいことであるが、同時に現在の教員養成大学におけるカリキュラムの根本的な見直しを図るべきである。
現在の教員養成課程が、「幅広い視野と高度の専門的知識を兼ね備えた人材を広く教育界に求めること」を目的としていることは理解できる。しかし、教職に関する履修科目の単位認定は、学校現場の実態に即していないと思われる。今後は、教員としての人格を形成することや児童生徒を理解する課程をより重視する必要がある。
また、上越教育大学、兵庫教育大学、鳴門教育大学が教員養成大学としての先駆的な役割を果たすための改革を行うことが重要である。