平成17年6月23日
 
「教職員配置等の在り方」に対する意見
 
全日本教職員連盟
1 はじめに
 
 現在、各学校では、児童生徒に「確かな学力」と「豊かな人間性」を育むために、創意工夫を凝らした教育活動に取り組んでいる。そのような中、平成13年度から実施されてきた第7次教職員定数改善計画により、少人数でのきめ細かな学習指導や円滑な学校運営が可能になり、大きな成果をあげているところである。しかし、多種多様な価値基準を持つ家庭・児童生徒への対応、学習意欲の向上や心の教育の充実等、まだまだ解決していかなければならない課題も多く、現状の教職員数では決して十分とはいえない。より「質の高い教育」を児童生徒に提供するためには、今まで以上に優秀な教職員を多く確保することが極めて重要となってくる。
 全日教連では、これまで、1学年の学級数に対する教員を、各学年小学校は1.5、中学校は2.0を乗じた数以上とすることを要望してきた。これは、一律に少人数学級を編制するというものではなく、児童生徒の実態に応じて、学校長の裁量で少人数指導や少人数学級等、多様な学校運営を可能にすることを目指したものである。
 今回、調査研究協力者会議において、教職員配置の在り方や学級編制及び学級集団の在り方について検討されていることは、教育現場にとって大変意義深いことである。その中に以下の考え方が盛り込まれることを強く望むものである。
 
2 教職員配置の在り方について
 
教職員の配置については、地域や学校の実態に応じて、きめ細かな教育と円滑な学校運営を行うために、次の3点について配慮すること。
 
(1) より効果的な学校運営を行うために児童生徒の実態に応じた教職員配置が自由にできる学校長の裁量の拡大
  
(具体的改善要望)
 
@ 一律に学級編制の人数を設定せず、それぞれの学年の実態に応じて、少人数学級を編制したり、少人数指導やTTによる指導を実施したりする等、より成果の上がる形態を選択することを可能にする。
 
A 必要に応じて個別に児童生徒に関わったり、専門性を活かした指導をしたりすることができるように、十分な教職員数を確保する。
 
 (理由)
  少人数学級では、担任の目が一人一人の児童生徒に行き届き、基本的な生活習慣を身に付けさせたり、適切な進路指導を行ったりすることができる。少人数指導やTTによる指導では、教科や単元に応じて習熟度別学習や課題別学習等を効果的に行い、基礎・基本を定着させるだけでなく、個の能力を伸ばすことができる。この二つのよさを実態に応じて活かすことによって、児童生徒に質の高い教育を提供することができる。
  また、LD・ADHD・高機能自閉症等の児童生徒に対して必要に応じて個別に関わることができる教職員がいれば、豊かな人間関係の中で、その児童生徒に最も適した教育を展開することができる。
 
(2) 児童生徒の心のケアや健康教育の充実を図るための、養護教諭及び栄養教諭・学校栄養職員の配置基準の見直し
 
(具体的改善要望)
 
  @ 養護教諭を全校配置とする。また複数配置基準を児童生徒数600人又は18学級以上に引き下げる。
 
  A 教育困難校等に養護教諭を複数配置する。
 
  B 食に関する指導を充実させるために、栄養教諭または学校栄養職員を1校1名以上配置する。
  
(理由)
 学校には、様々な問題や悩みを抱えた児童生徒がいる。また、家庭環境が十分とは言えない児童生徒もいる。そのような児童生徒に対して、個に応じた心のケアや適切な健康に関する指導の充実が求められいる。そのためには、専門的な知識と豊かな経験を持つ教職員が必要である。
 
(3) 円滑な学校運営を行うとともに、児童生徒にとってよりよい学習環境を整備するための学校事務職員の加配
 
(具体的改善要望)
 
@ 学校事務職員を全校配置とする。
 
A 事務の共同実施を行っている地域への事務長(新設)の配置と、その職務に専念できるための加配を行う。
 
B 学校運営協議会(コミュニティスクール)が設置された学校への加配を行う。
 
(理由)
 各学校では、学校長を中心に開かれた学校経営を目指し、創意工夫を積み重ねている。このような取り組みを円滑に進めるためには、法規や財政等についての専門的知識と高い事務処理能力を有した学校事務職員の存在が必要である。
 
3 学級編制及び学級集団の在り方について
 
上で述べた教職員配置を行うために、学級編制基準を以下のように改善することを提案する。
 
(1) 1学級30人で教員数を算定し、実際の学級の人数は学校長の判断に委ねる。
 
(2) 教頭を教諭等の標準定数から外し、学校規模に応じた教頭定数を設ける。
 
(3) 特別支援教育担当の標準定数を設ける。
 
4 最後に
 
 児童生徒数の減少に相反して、教職員数が増えていることを指摘する声もある。しかし、より児童生徒の実態に応じた適切な指導を行ったり、一人一人とじっくりとふれ合う時間を確保したりするためには、これまで以上に十分な教職員の確保することは喫緊の課題である。
 今後、同調査協力者会議において、これからの子供たちのことを考えた、大幅な教職員配置の制度の見直しを強く期待する。