全日本教職員連盟

第2回:問題が発生したら ― ダメージコントロールとは ―

 もし、学校(園)で問題事例が発生したら、教職員はどう対応したらいいだろうか。最も大切な視点は、幼児児童生徒の生命や安全、人権の確保である。このことは、どんな場合でも最優先事項であることは誰しも分かっている。しかし、事件発生直後はパニック状態となり、有効な手立てが取れないと思って良い。そこで、以下の三点をキーワードとして押さえておきたい。

1.最初の一手を打っておく
 簡単に言えば、「素早く、慎重に」である。
 危機状況に陥れば、そこでは少なからず混乱状態が予測される。その場合は、即座に最初の一手を打っておくことだ。それは決して最善手でなくてもいい。時間が稼げることで、冷静に対応することが可能となるからだ。この一手が、職員の判断力・決断力なのである。しかし、多くは躊躇する傾向が強い。その代表的な動きが、今回の原発事故だったかも知れない。学校では、そこまでの重要な問題が起きないと思われがちだが、実は学校こそ迅速な対応が欠かせない職場なのだ。

2.情報共有の範囲を即座に決める
 つまり、「どんな情報をどこまで知らせるか」という判断である。
 事案の内容によっては、学校内だけに留めておけない事例もあり、その隠匿が後で大きな問題に発展しかねない。逆に、人権的配慮から、あえて公表する必要のないものもある。どこまで伝えるかは管理職員の最も大きな裁量権であるが、それを具申するのは、最前線の教職員なのである。昨今は公開が原則になっていることを踏まえ、人権等の配慮を勘案して対応してほしい。マスコミ対応もここにある。また、教育委員会やPTA等との意志疎通が欠かせない部分である。一般社会におけるリコール問題もここがポイントだったのだ。

3.社会的な視点から、問題を俯瞰する
 これは、「誰が見ても、おかしいことはおかしい」という感覚である。
 学校内だけの視点で考えると、狭い了見から意外な落とし穴が待っている。これを、教員以外の方が聞くとどう思うか、という視点で考えてほしい。マスコミ報道で、学校の対応が叩かれるのは、実はこの視点なのである。そのため、教員の声はもちろんのこと、地域や保護者等、他の意見を聞くことも一案であろう。不祥事問題の大半は、ここから問題を大きくしている。
 学校は、問題が発生すると困るという発想ではなく、問題は起きるものだから、その対応を事前に考えておこうという意識をもつことが重要だ。そうすれば、もしもの時も動揺せずに対応できる。ダメージコントロールこそ、危機管理の真骨頂なのである。


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